津観音の宝物

津観音の宝物|工芸

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鳥の子手茶碗

鳥の子手茶碗

天目形で釉薬は象牙色で薄くかかり、ときおり黄ばんだ溜りを見せる。伏せ焼きにすることが普通で、そのため口縁が釉はげとなるため金、銀、銅などの覆輪をかける。この作品は覆輪を真鍮製とした、珍しい作品である。「鳥の子手」とは料紙の「鳥の子紙」の色から由来したものである。定窯の面影が残る一碗である。

明代

朝鮮唐津水指

朝鮮唐津水指

一重口の耳付き水指で、胴の中心に帯状のヘラ目を上下に入れ、器形の歪みには作意が感じられる。全体に茶褐色の釉薬を施しているが、内部を覗くと朝鮮唐津特有の釉が景色をつくり、外部と内部がそれぞれ違った味わいを呈している。

江戸時代初期

雪中松画透かし鉢

雪中松画透かし鉢

轆轤造りで、内と表の両面同じ位置に大胆な松とおぼろ月を錆絵で描き、松枝にかかる雪を厚い長石釉で表している。雪景色に月光が映え、深々とした静かな夜を表現している。全体に彫りや透かしを入れたこの作品は、仁阿弥の代表作の一つと言えよう。仁阿弥道八は仁和寺から「仁」を、醍醐三宝院から「阿弥」を賜った江戸時代後期の京都の名工である。

江戸時代 仁阿弥道八作

古銅花入

古銅花入

この花入は和物で、江戸時代前期の作と推察される。口は広く、下蕪で高い高台がついている。環耳は大きく、上根は鬼面の口から出た格好になっている。蕪が大きい上に高台は高く、裾は広く開いていて均整がとれ、古代の華瓶につながる重厚な印象の作品である。

江戸時代

竹茶杓

竹茶杓

飴色になった竹製の中節の茶杓。茶杓はべっ甲・銀・砂張・象牙などの素材も用いられたが、村田珠光以後は竹で作られるようになった。外箱・蓋裏に円能斎、中箱・蓋裏に淡々斎の書付がある。

桃山時代 千利休作 銘 一太刀

花鳥図寸切香合

花鳥図寸切香合

蓋上面と蓋・身の側面に鮮やかな青花で花鳥図が描かれた香合。竹・五弁花の咲く樹木(梅か?)・枯木に五羽の小鳥が描かれ、蓋・身の受口と底部のみは露胎で、素地からはおそらくは江西省景徳鎮窯の製品と考えられる。

清時代 景徳鎮窯